第3話 からだと食べ物の中の5-ALAの量

摂った5-ALAはミトコンドリアの中でヘムになることができるのね。

でも博士、5-ALAは人間のからだの中でも作られてる訳でしょ? 
なんでわざわざサプリメントなんて摂る必要があるの? 

人体(成人男性)に存在する5-ALAは4 mg(0.004 g)程度と考えられておるが、次々と壊れていくヘムを補充するため、一日のべ1.6~3.7 gもの5-ALAが作られると言われておる。1

じゃが、体ができあがる17歳くらいをピークに、からだでできる5-ALAの量はどんどん減ってゆくんじゃ。2

えっ、じゃあ私、これからどんどん5-ALAが減っていっちゃうの? 
人生まだまだこれからなのに… 

でも、いろんな生き物が作ってるんなら、お肉や野菜を食べるだけじゃダメなの? 

いい質問じゃな。 
確かに、5-ALAはいろんな生き物が作っておる。特に、 微生物が作るお酒や納豆、味噌などの発酵食品には多く含まれておる。  

でも、その量はからだで作られる量と比べるととても少ないんじゃ。 
例えば1日10 mg (0.01 g)、耳かき1杯くらいの5-ALAを摂るためには、日本酒なら3升、ワインなら9本、納豆なら800パックが必要じゃ。 3

日本酒、ワイン、納豆の5-ALAの量

なるほど!ノンベエの博士でも、日本酒3升はちょっと飲めそうにないわね。 
 
でもでも博士、5-ALAの代わりにヘムを食べたらいいんじゃない?
ヘムが血の成分なんだったら、レアステーキとか、レバ刺しとか、いっぱいヘムが入っているわよね? 

ヘムを食べても、そのほとんどが腸で分解されてしまうんじゃ。4
しかも、分解されなかったヘムも、エネルギー産生を担うミトコンドリアの中まではたどり着かないのではと考えられておる。 5

からだの中にある物質だからといって、摂ったらその機能を果たすとは限らないのね。 

その通り!
お肌の成分として有名なコラーゲンも、食べるとほとんどが胃腸などで分解されてしまうことが知られておる。

巷で流れる「体内の物質だから補充するといいことがある」、あるいは「体内の物質だから安全」などと言った言説には十分注意することが重要じゃ。

その点、5-ALAは本当にからだの中でヘムになって働くから信頼できるわね。 

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引用文献

1.               【人体中の5-ALA量】成人男性の5-ALA量:成人男性の除・骨/脂肪/血液体重約49kgをもとに、哺乳動物の食肉中の5-ALA量平均(8 μg/ 100 g)から換算。///【1日に生産される5-ALA量】総鉄量5 gの70%がヘモグロビン、20%が貯蔵鉄、6~10%がミトコンドリア中の鉄(すべてヘムとする)とした。ヘモグロビンの半減期を120日とした場合、ヘモグロビンに用いられる一日の5-ALA生産量は545.2mg。ミトコンドリア中の鉄の半減期を2.5日あるいは5日とした場合、ミトコンドリア中のヘムに用いられる一日の5-ALA生産量は1,025~3,133mg。

2.               Paterniti JR, Jr., Lin CI, Beattie DS. delta-Aminolevulinic acid synthetase: regulation of activity in various tissues of the aging rat. Arch Biochem Biophys 1978;191:792-7.

3.               ALAサイエンスフォーラム 第2回マスコミセミナー http://ala-sf.net/report/press/seminar-02 (visited on 8 June, 2021).

4.             West AR, Oates PS. Mechanisms of heme iron absorption: current questions and controversies. World J Gastroenterol 2008;14:4101-10.

5.             Chiabrando D, Vinchi F, Fiorito V, Mercurio S, Tolosano E. Heme in pathophysiology: a matter of scavenging, metabolism and trafficking across cell membranes. Front Pharmacol 2014;5:61.

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