SBI ホールディングス株式会社の子会社である SBI ファーマ株式会社(所在地:東京都港区、代表取締役執行役員社長:北尾吉孝、以下「当社」)は、膀胱がんの術中診断薬である「アラグリオ®顆粒剤分包 1.5g」(以下アラグリオ)について、承認条件となっておりました製造販売後の全症例を対象とした特定使用成績調査(全例調査)に関し、厚生労働省より2020年11月9日付の通達にて解除の連絡を受けましたのでお知らせします。
アラグリオは経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)(※1)施行時における筋層非浸潤性膀胱癌(※2)の可視化を目的とした光線力学診断(Photodynamic Diagnosis: PDD)用に経口投与される世界で初めての製剤で、希少疾病用医薬品の指定を受けています。アラグリオは承認条件のひとつとして、「承認時までの国内治験症例が少ないことから、製造販売後の一定期間にすべての使用患者を対象とした使用成績調査を行い、使用実態下における安全性や有効性に関する情報を可能な限り早期に偏りを生じないよう収集する」ことが付記されておりました。
今回の承認条件の解除は、全例調査の中間集計解析結果(安全性解析対象症例536例、有効性解析対象症例523例)として厚生労働省に提出しておりましたTURBTの患者さんにおける安全性および有効性データをもとに、承認条件である製造販売後調査が適切に実施され、アラグリオの適正使用に必要な措置はすでに講じられており、更なる調査等の実施は必要がないと判断されたことから決定されたものです。
今後も当社はアミノレブリン酸の研究・開発を進め、広く社会に貢献できるよう日々努力を重ねてまいります。
(※1)経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)とは:Transurethral Resection of the Bladder Tumor の和訳で、開腹せずに尿道から手術用内視鏡(膀胱鏡)を挿入し、膀胱を温存しながら腫瘍を切除する術式のことです。
(※2)筋層非浸潤性膀胱癌とは:膀胱筋層への浸潤を有さない比較的早期の膀胱がんで、膀胱がん全体の約70%を占めます*。基本的に初期治療として TURBT による膀胱温存を目指した治療が行われますが、従来の白色光源のみによる TURBT 施行では、術後 5 年以内にその 31~78%が再発するとされています**。
* 膀胱癌診療ガイドライン 2019年版(日本泌尿器科学会 編)医学図書出版株式会社; p.28
** Sylvester RJ, et al. (2006) Eur Urol; 49:466-77
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