【効能・効果】
経尿道的膀胱腫瘍切除時における筋層非浸潤性膀胱癌の可視化
【用法・用量】
通常、成人には、アミノレブリン酸塩酸塩として20 mg/kgを、膀胱鏡挿入2~8時間前に、水に溶解して経口投与する。
【顆粒剤分包1.5 g】
レセプト電算処理システムコード: 622572701
薬価基準収載医薬品コード: 7290007D1027
HOTコード: 125727401
【内用剤1.5 g】
レセプト電算処理システムコード: 622927601
薬価基準収載医薬品コード: 7290007X1040
HOTコード: 129276301
アラグリオは、令和2年度の診療報酬改定により4月1日から包括評価に組み込まれることとなり、経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)に関する新しい分岐(枝番号)が出来ました。
また、令和4年度診療報酬改定により、TURBTに関する診断群分類(DPC)電子点数や手術手技料が改定されました。
アラグリオを用いたTURBTの手技・注意点等
本編 (視聴時間:6分46秒)
1.切除マージンの決定
2.接線効果
3.ブリーチング
4.クリアな蛍光観察のためのポイント
5.その他注意事項
インタビュー (視聴時間:4分50秒)
高知大学医学部泌尿器科学講座および
光線医療センター
助教 福原 秀雄 先生
1.ALA-PDDで意識することは (0分7秒)
2.偽陽性や接線効果の見分け方 (1分6秒)
3a.ALA-PDD実施で治療方法が変更になった
事例(1分47秒)
3b.ALA-PDD実施でステージが変更になった
事例 (2分26秒)
4.光線過敏症への対策 (2分55秒)
5.重篤な低血圧への対策 (3分23秒)
6.Aladuck405のご感想 (4分09秒)
インタビュー (視聴時間:5分01秒)
高知大学医学部泌尿器科学講座および
光線医療センター
教授 井上 啓史 先生
(光線医療センター センター長)
1.ALA-PDDの有用性は (0分7秒)
2.病変が蛍光しない原因 (0分51秒)
3.NBIとの違いや特徴 (1分50秒)
4.膀胱癌治療への影響 (3分13秒)
5.光線医療への取り組み (3分53秒)
膀胱腫瘍に対する光線医療の現状と展望
慶應義塾大学医学部 泌尿器科学教室 教授 大家基嗣先生による講演動画
(視聴時間:35分35秒)
※本動画は第12回高知光線医療セミナー(2024年12月13日開催)における講演の模様を録画・配信するものです。
アラグリオ®顆粒剤分包1.5g(一般名:アミノレブリン酸塩酸塩)は、経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)時における筋層非浸潤性膀胱癌の可視化のために用いられる光線力学診断(PDD)用剤です。
本剤の主成分は生体内物質であるアミノレブリン酸の塩酸塩で、アミノレブリン酸は、ヒトも含めた動植物の生体内に含まれるアミノ酸の一種です。[1]
【引用】
[1] アラグリオ ®顆粒剤分包 1.5g インタビューフォーム(第11版)
1ページ「Ⅰ.概要に関する項目」の項
有効成分であるアミノレブリン酸塩酸塩は、生物界に広く存在している生体内物質のアミノレブリン酸の塩酸塩であり、正常細胞内においてはプロトポルフィリンⅨ(PpⅨ:Protoporphyrin Ⅸ)を経て、最終的にヘムに変換されます。
一方、悪性腫瘍細胞では、正常細胞に比べて PpⅨからヘムに変換するための酵素活性が低いため、悪性腫瘍細胞内ではPpⅨが多量に蓄積します。この PpⅨは、青色光(400~410 nm)で励起されると赤色蛍光を発することが知られています。
このため、本剤を経口投与し、膀胱内に青色光を照射することで膀胱内の腫瘍病変が赤色蛍光を発し、視認性を高めることができるため、診断精度の向上が期待できます。[1][2]
【引用】
[1]アラグリオ®顆粒剤分包1.5g インタビューフォーム(第11版)
[2]アラグリオ®内用剤1.5g インタビューフォーム(第4版)
膀胱癌診療ガイドライン 2019 年版[1]では、本剤を用いた腫瘍可視化技術( photodynamic diagnosis:PDD)について、以下のように規定されています。
CQ4: 筋層非浸潤性膀胱癌(NMIBC)の治療の際にPDD や NBI は推奨されるか?
Answer
PDD は膀胱再発率の低下につながることから推奨される(推奨の強さ 1,エビデンスの確実性 A)。NBI は癌検出率を改善させるが,膀胱再発率の低下につながるかは未確定である(推奨の強さ 2,エビデンスの確実性 B)。
一方、膀胱がんの診断用途でのPDDにつきましては以下のように規定されておりますが、この用途は適応外使用となることにご留意ください。
CQ1: 膀胱癌の診断に腫瘍可視化技術(photodynamic diagnosis:PDD,narrow band imaging:NBI)は推奨されるか?
Answer
膀胱癌の診断において,腫瘍可視化技術を用いることは,癌検出感度が改善されることから推奨される(PDD:推奨の強さ 1,エビデンスの確実性 A;NBI:推奨の強さ 1,エビデンスの確実性 B)。
【引用】
[1] 膀胱癌診療ガイドライン 2019 年版
上皮内癌(CIS)、微小病変など通常の白色光では視認することが難しい病変の検出に有用だと考えられています。[1]また、高リスクの筋層非浸潤性膀胱癌の症例において、白色光源のみ使用したWL-TURBTと青色光源と白色光源を併用したPDD-TURBT後に実施した2nd TURBT時の残存腫瘍率は、WL-TURBT群では47.3%、PDD-TURBT群では25.7%であったことから、PDD-TURBT後の残存腫瘍を低下させたとの報告もございます。[2]
また、「アラグリオ®を用いたPDD-TURBTは筋層非浸潤性膀胱癌における再発のリスクを減少させる」という報告が複数ございます。[3][4]
文献[3]の報告では、対象はWL-TURBT群(ヒストリカル群)40例とPDD-TURBT群60例でした。結果ですが、患者さん一人あたりの最大1000日間のフォローアップ期間の再発イベント、再発病変のグレードを検討した結果、WL-TURBT群では40例中15例が再発し、また再発を繰り返す症例があったのに対して、PDD-TURBT群では60例中9例が再発しましたが、1000日以内に再発を繰り返す症例はありませんでした。
文献[4]の報告では、高リスクの筋層非浸潤性膀胱癌の症例について、PDD-TURBT群はWL-TURBT群より1年膀胱内無再発生存率が有意に高かったと報告されております。特に、腫瘍径が3cm未満であること、2回目のTURBT時に残存腫瘍がないこと、術後に膀胱内BCG療法を行わないことが、PDD-TURBT群における高い1年膀胱内無再発生存率の有意な寄与因子でした。
膀胱癌診療ガイドライン 2019 年版において、 筋層非浸潤性膀胱癌(NMIBC)の治療の際に、本剤を用いた腫瘍可視化技術は膀胱再発率の低下につながることから、「推奨の強さ 1,エビデンスの確実性 A」として推奨されています。[5]
[1]Int J Urol. 2018 Aug;25(8):723-729.
[2]Kobayashi K. et al. Int J Urol . 2022 Jul;29(7):632-638.
[3]Miyake M. et al. Diagnostics (Basel). 2021;11(2):185.
[4]Kawai T. et al. Int J Urol. 2024 May : 10.1111
[5]膀胱癌診療ガイドライン 2019 年版
2024年6月現在、日本国内の実施施設として弊社ウェブサイトへの施設名掲載に同意いただいた施設が180件となっています。うち40件弱が国立大学の附属病院ですが、順次市中病院に拡大している状況です。
DPC病院における診療報酬は「包括評価部分」+「出来高部分」となります。「包括評価部分」につきましては、PDD-TURBT専用(110070XX02XXXX)の点数が算定可能です。
また、「出来高部分」としては、「入院基本料等加算」「医学管理費」「麻酔管理料」等の他、手術手技料として「K803 6 イ 経尿道的膀胱腫瘍切除術 (TURBT) 手術手技料」と「K939-2 術中血管等描出撮影加算」が算定可能です。[1][2]
[1]厚生労働省 令和6年 厚生労働省告示第57号 別表第1
[2]厚生労働省 診断群分類(DPC)電子点数表(正式版)(令和6年5月21日更新)
青色の励起光を照射できる光源装置又はこれを含む内視鏡システムが必要です。2024年10月現在、青色励起光が照射できる光源装置や青色励起光を照射できる光源を含む内視鏡システムは数社より販売されております(例:当社製品 Aladuck405)。
医療関係者様問合せフォームより個別にお問合せください。
光線過敏が症状の一つであるポルフィリン症の患者さんには投与禁忌とされておりますが [1][2]、その他の光線過敏症の患者さんについては十分な情報がございません。
[1]アラグリオ®顆粒剤分包1.5g電子添文(第2版)
[2]アラグリオ®内用剤1.5g電子添文(第3版)
アラグリオの電子添文には光線過敏症を起こすことが知られている薬剤として、テトラサイクリン系抗生物質、スルフォンアミド系製剤、ニューキノロン系抗菌剤等、セイヨウオトギリソウ(St. John’s Wort、セント・ ジョーンズ・ワート)含有食品が記載されております。
これらは海外の5-アミノレブリン酸製剤(Gliolan)の添付文書に記載されている光線過敏症を起こすことが知られている薬剤(テトラサイクリン、スルフォンアミド、フルオロキノロン、ヒペリシン抽出物、等)をもとに例として記載しています。
その他にも、電子添文の副作用の項目に「光線過敏症」等の記載がある薬剤が該当しますので、お手数ですが併用薬の電子添文をご確認頂けますようお願いいたします。
2019年時点の情報ですが、併用注意薬を例示した文献がございますので、もしよろしければご送付させていただきます。
【参考文献】
1)アラグリオ®内用剤1.5g電子添文 第3版 10. 相互作用 10.2 併用注意
2)アラグリオ®内用剤1.5g申請資料概要1.6 外国における使用状況等に関する資料
Gliolan SUMMARY OF PRODUCT CHARACTERISTICS 14ページ目
3) 長崎大 薬剤部 今村, 長崎県病薬会誌 第114号 ’19
本剤の有効成分であるアミノレブリン酸塩酸塩は、吸湿性を有することが確認されているため、開封後は速やかに溶解する必要がございます。[1][2]
開封後、包装されていない状態での保存は推奨しておりません。
[1]アラグリオ®顆粒剤分包1.5g インタビューフォーム(第11版)
[2]アラグリオ®内用剤1.5g インタビューフォーム(第4版)
本剤1包または1バイアルに水50 mLを加えて溶解後、24時間以内に使用してください。24時間を過ぎた溶解液は廃棄してください。
本剤を蒸留水で溶解した3%水溶液を、昼間散光下、15℃から25℃で、共栓付き三角フラスコ(無色ガラス製)にて、24時間保存し、溶状(色及び澄明性)、pH、類縁物質、含量を検討しました。その結果、変化は認められませんでした。[1][2]
[1]アラグリオ®顆粒剤分包1.5g インタビューフォーム(第11版)
[2]アラグリオ®内用剤1.5g インタビューフォーム(第4版)
添付文書上、特に水について指定はしておりません。[1][2]
[1]アラグリオ®顆粒剤分包1.5g電子添文(第2版)
[2]アラグリオ®内用剤1.5g電子添文(第3版)
本剤1包を適切な容器に取り、水50mLを加えて溶解し、アミノレブリン酸塩酸塩20mg/kgから計算した投与液量をはかり取り、経口投与してください。投与液量詳細につきましては、適正使用ガイド中「投与液量計算表」をご参照ください。[1]
【引用】
[1]アラグリオ®顆粒剤分包1.5g 適正使用ガイド
本剤は他剤および飲食物との配合試験を実施していません。また、本剤を水以外の溶液で溶解した場合の、有効性・安全性については検討していません。
そのため、電子添文通り、本剤の溶解には「水」をご使用ください。
一方で、酸味があるため飲みにくいという理由で、オレンジジュースやブドウ糖液に溶解し、経口投与している報告もあります。[1][2]※
また、ブドウ糖液に溶解後、炭酸水素ナトリウム(重曹)で溶液のpHを調整しているという報告もございます。[3]
恐れ入りますが、最終的なご判断は各医療機関にお願い致します。
※文献2)は30 mg/kg又は60 mg/kgをオレンジジュース5~10 mLに溶解し経口投与していますが、承認された用法・用量と異なりますので注意して下さい。
【参考文献】
[1] Regula et al. Gut. 1995; 36:67-75.
[2] 梶本 他 日本臨床 2010; 68-増刊号10: 375-382._
[3] Inoue K. et al. Cancer 2012 : 118(4)
アラグリオの適応は初回TURBTに限定されておりませんので、2nd-TURBTでも使用可能です。一方で、過去のTURBTから6週間以内は切傷や炎症による偽陽性の影響があると報告されていることにご留意ください。[1]
なお、2nd-TURBTの診療報酬請求の可否につきましては、個別に審査支払機関にお問合せください。
[1]Eur Urol. 2003 Jul;44(1):51-6.
以下のような可能性が考えられます。
・腫瘍細胞の表面が壊死している可能性
・青色光の組織への透過は高くないため、正常細胞の直下に入り込んでしまうようなCISに対して、青色光が透過できず、赤色蛍光が検出できない可能性
・本剤を投与してから膀胱鏡挿入までの時間が早いため、5-ALAからPpIXに代謝しきれず、見えない、見えにくい可能性
ループ電極による切除などにより病変が熱変性すると蛍光物質プロトポルフィリンIXも失活し、光らなくなってしまいますので、切除したあとの断面は光らないと考えております。[1]
また、筋層に浸潤したがん細胞が蛍光を発する可能性はございます[2]が、青色光の組織への透過は高くない(ブタ胃粘膜での140 mW/cm2青色光の深達度は0.26 mmにとどまる[3])ことが知られており、切除する前の状態で筋層中のがん細胞の蛍光を視認することは難しいと考えられます。
[1]アラグリオ®顆粒剤分包1.5g 適正使用ガイド
[2]埼玉医科大学雑誌 第 41 巻第 1 号 平成 26 年 8 月
[3]J Biomed Opt. 2020 Mar;25(6):1-13.
投与後の遮光は必要です。本剤投与後少なくとも48時間は、強い光(手術室の照明、直射日光又は明るい集中的な屋内光等)への眼及び皮膚の曝露を避け、照度500ルクス以下の室内で過ごさせること、と添付文書に記載がございます。[1][2]
[1]アラグリオ®顆粒剤分包1.5g電子添文(第2版)
[2]アラグリオ®内用剤1.5g電子添文(第3版)
以下のような症状が認められます。
・日光のあたる部分の発疹やみずぶくれ
・日光の照射による過度の日焼け
・かゆみ
・皮膚の色素沈着
対処については、本剤には拮抗剤はありませんので、一般的な光線過敏症に対する治療をご検討ください。なお、光線過敏症の症例報告(処置や転帰等)につきましては、「アラグリオ®顆粒剤分包1.5g 副作用発現状況について Vol.4」[1]をご参照ください。当該資材に市販後の副作用発現状況をまとめております。
いずれの症例も自然軽快又は対症療法後に比較的速やかに回復・軽快しておりましたが、本剤投与に際しては、以下の点に十分ご留意ください。
・添付文書【重要な基本的注意】[2][3]でも注意喚起しておりますように、本剤投与後は少なくとも48時間は直射日光等の強い光への曝露を避けることの徹底をお願いします。
・患者さんへも、必ず同様のご指導をお願いします。
【引用】
[1]アラグリオ®顆粒剤分包1.5g 副作用発現状況について Vol.4
[2]アラグリオ®顆粒剤分包1.5g電子添文(第2版)
[3]アラグリオ®内用剤1.5g電子添文(第3版)
2017 年12 月 19 日の発売日より2022 年12 月 31日までに当社で得た安全性情報によると、16例の報告(集計期間中の推定患者数は約25,937人)のうち、ほとんどが日焼け、発疹の症状にとどまっており、いずれも速やかに回復しております。
また、 1 例 1 件の重篤な光線過敏症の報告がされております[1]が、この症例はアレルギー疾患を有する患者であり、掻痒感を訴えたものの速やかに回復しております。
【引用】
[1]アラグリオ®顆粒剤分包1.5g 副作用発現状況について Vol.4
膀胱癌患者を対象とした国内臨床試験(ALA-BC-1試験、SPP2C101試験、SPP2C102試験)において、安全性を評価した本剤の承認された用量である20 mg/kg投与群の総症例243症例中、38例(15.6%)で低血圧が認められました。[1][2]
使用成績調査(全例調査)では安全性解析対象症例794例中で本剤との因果関係が否定できないとされた低血圧関連副作用の発現割合は2.4%(19/794例)で、このうち0.8%(6/794例)が重篤でした。
転帰は、回復もしくは軽快と報告されております。[3]
2017年12月19日の発売日より2022年12月31日までに当社で得た重篤な低血圧関連事象発現症例に関する安全性情報によると、主に麻酔導入後に低血圧症状が認められた症例(73.3%(44/60例))が報告されております。
麻酔導入後低血圧症状が認められた症例の内、特に麻酔導入直後から10分以内に発現した症例が68.4%(26/38例)と多く報告されております。[4]
麻酔導入後は連続して血圧を測定する等により、血圧の変動を確認し血圧低下が認められた場合には速やかに輸液、昇圧剤の投与等をご検討ください。
但し、麻酔導入前にも発現した症例や手術終了後にも発現した症例も報告されており、アラグリオ®服用以降は注意が必要と考えております。
本剤投与後は、患者様にふらつき等への注意および可能な限りベッドで安静に過ごしてもらうこと、また、ふらつき発現時は看護師等に連絡することをご指導ください。
[1]アラグリオ®顆粒剤分包 1.5g インタビューフォーム(第11版)
[2]アラグリオ®内用剤1.5g インタビューフォーム(第4版)
[3]アラグリオ®顆粒剤分包1.5g 使用成績調査(全例調査)の結果について
[4]アラグリオ®顆粒剤分包1.5g 副作用発現状況について Vol.4
心血管系疾患のある患者については、収縮期及び拡張期血圧、肺動脈圧並びに肺血管抵抗が低下するおそれがあります。高血圧等の循環器系疾患の合併患者さんでは、重篤な低血圧が発現するおそれがありますので、慎重に本剤の投与を行ってください。[1][2]
また、Noharaらは全身麻酔とレニン-アンジオテンシン阻害薬の常用が低血圧リスクの上昇と関係すると報告しており、Miyakawaらは80歳以上、BMI25以上、eGFR45未満が昇圧薬の持続投与が必要な遷延する重症低血圧のリスク因子として報告しております。[3][4]
なお、降圧剤服用症例を低血圧リスクとした例や、低血圧発現予防として輸液投与した例がございます。[5]
その他、術中低血圧症例に対してバソプレシンを投与した報告がございます。[6]
[1]アラグリオ®顆粒剤分包1.5g電子添文(第2版)
[2]アラグリオ®内用剤1.5g電子添文(第3版)
[3]Nohara et al. Int J Urol. 2019 Nov;26(11):1064-1068.
[4]Miyakawa J. et al.Photodiagnosis Photodyn Ther. 2021 Mar;33:102179.
[5]Bondad J. et al. Photodiagnosis Photodyn Ther. 2013 Feb;10(1):39-41.
[6]Owada G. etl al. Case Rep Anesthesiol. 2023 May 6;2023:1745373.
2017年12月19日の発売日より2022年12月31日までに当社で得た安全性情報によると、主に麻酔導入後に低血圧症状が認められた症例(73.3%(44/60例))が報告されております。
麻酔導入後低血圧症状が認められた症例の内、特に麻酔導入直後から10分以内に発現した症例が68.4%(26/38例)と多く報告されております。麻酔導入後は連続して血圧を測定する等により、血圧の変動を確認し血圧低下が認められた場合には速やかに輸液、昇圧剤の投与等をご検討ください。
但し、麻酔導入前にも発現した症例や手術終了後にも発現した症例も報告されており、アラグリオ服用以降は注意が必要と考えております。本剤投与後は、患者様にふらつき等への注意および可能な限りベッドで安静に過ごしてもらうこと、また、ふらつき発現時は看護師等に連絡することをご指導ください。[1]
【引用】
[1]アラグリオ®顆粒剤分包1.5g 副作用発現状況について Vol.4
2017年12月19日の発売日より2022年12月31日までに当社で得た安全性情報によると、重篤4例 5件を含む131例 152件が報告されております。
多くは無処置で回復したとされる非重篤な症例でしたが、処置を必要とする症例も報告されておりますので、本剤投与に際しては、肝機能障害の発現にご留意いただきますようお願いします。
なお、肝機能障害の症例報告(処置や転帰等)につきましては、「アラグリオ®顆粒剤分包1.5g 副作用発現状況について Vol.4」をご参照下さい。[1]
[1]アラグリオ®顆粒剤分包1.5g 副作用発現状況について Vol.4
本剤投与により肝機能障害があらわれる可能性があるため、投与に際しては、投与前及び投与後に定期的に肝機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、適切な処置をお願いします。[1][2]
なお、肝機能障害の症例報告(処置や転帰等)につきましては、「アラグリオ®顆粒剤分包1.5g 副作用発現状況について Vol.4」をご参照ください。[3]
[1]アラグリオ®顆粒剤分包 1.5g インタビューフォーム(第11版)
[2]アラグリオ®内用剤1.5g インタビューフォーム(第4版)
[3]アラグリオ®顆粒剤分包1.5g 副作用発現状況について Vol.4