東京理科大学による研究論文発表のお知らせ ~5-ALAによる疲労軽減作用のメカニズム解析~

SBIホールディングス株式会社の子会社で5-アミノレブリン酸(5-ALA)(※1)を利用した医薬品等の研究・開発等を行っているSBIファーマ株式会社(所在地:東京都港区、代表取締役執行役員社長:北尾吉孝)と東京理科大学(所在地:東京都葛飾区、学長:石川正俊)は、5-ALAによる疲労軽減作用機序を解明した共同研究の成果が論文表題「マウスにおける5-ALA長期投与による抗疲労作用」(日本語訳)として、生命科学に関する国際科学誌「Life」に掲載されましたことを、以下の通り、お知らせいたします。

掲載誌 Life
表題 Antifatigue Effects of 5-Aminolevulinic Acid Chronic Treatment on Mice
著者 東京理科大学薬学部 斎藤顕宜教授ら、SBIファーマ株式会社
URL https://doi.org/10.3390/life15091465
概要 慢性的な身体的疲労をもつ人に対して、5-ALAは疲労を軽減することが報告されています。しかし、5-ALAの疲労に関する作用機序は不明でした。

そこで、本共同研究グループは、慢性疲労のモデルマウスを用いて5-ALAによる中枢神経系及び末梢組織への影響を調べ、その作用機序を明らかにしました。

具体的には、マウスに5-ALA塩酸塩を8週間経口投与した後、高さ1.5cmの水を満たしたケージに4日間飼育することにより、水浸慢性疲労モデルマウスを作製しました。疲労度の評価にはトレッドミル走行テストを用い走行距離による疲労度の評価および作用機序を解析しました。その結果、5-ALA投与群では走行距離の延長が認められ、疲労軽減作用が確認されました。また、慢性疲労時により誘発された低血糖および前頭前皮質におけるノルアドレナリンの代謝回転率(※2)の低下は、5-ALA投与により改善しました。これらの結果から、5-ALAの疲労軽減作用は、前頭前皮質におけるノルアドレナリン神経系の活性化と、脂肪組織からのエネルギー産生促進による血糖維持に起因することが推測されました。

これらの結果は、慢性疲労モデルマウスにおいて5-ALAが、中枢神経系及び末梢組織の両方を調節して、疲労を軽減する可能性を示しています。

(※1) 5-アミノレブリン酸とは、体内のミトコンドリアで作られるアミノ酸です。ヘムやシトクロムと呼ばれるエネルギー生産に関与するタンパク質の原料となる重要な物質ですが、加齢に伴い生産性が低下することが知られています。

(※2) ノルアドレナリンの代謝回転率は、ノルアドレナリン代謝の指標として用いられています。ノルアドレナリンは、脳内では神経伝達物質として働き、感情や覚醒状態の調節を行います。

本プレスリリースは論文の紹介であり、未承認薬の使用を推奨するものではございません。

以上

本プレスリリースに関するお問い合わせ先:
SBIファーマ株式会社
E-mail: info_ala@sbigroup.co.jp

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