SBIホールディングス株式会社の子会社で5-アミノレブリン酸(5-ALA)(※1)を利用した医薬品等の研究・開発等を行っているSBIファーマ株式会社(所在地:東京都港区、代表取締役執行役員社長:北尾吉孝)は、順天堂大学大学院(所在地:東京都文京区、学長:新井一)に5-ALAリン酸塩(※2)およびクエン酸第一鉄ナトリウム(SFC)(※3)を提供し、サルコペニア病に関する特定臨床研究を進めてまいりました。この度、研究代表医師らの綿田裕孝・田村好史(順天堂大学大学院)が進めていた研究において、「サルコペニア患者の骨格筋指数と身体機能に対する5-ALAリン酸塩とSFCの併用摂取の有効性と安全性:多施設共同二重盲検ランダム化比較試験(ALADDIN試験)」という表題の論文が国際科学誌“Nutrients”に掲載されましたので、以下の通りお知らせいたします。
掲載誌 | : | Nutrients 2023, 15(13), 2866 |
表題 | : | Efficacy and Safety of 5-Aminolevulinic Acid Combined with Iron on Skeletal Muscle Mass Index and Physical Performance of Patients with Sarcopenia: A Multicenter, Double-Blinded, Randomized-Controlled Trial (ALADDIN Study) |
著者 | : | 田村好史(順天堂大学大学院 代謝内分泌内科学・スポートロジーセンター 准教授)ら |
URL | : | https://www.mdpi.com/2072-6643/15/13/2866 |
要旨 | : | サルコペニアは、身体機能や骨格筋量、握力などの筋力の低下を特徴とする老年症候群である。5-ALAリン酸塩とSFCの併用摂取はマウスでは骨格筋量やミトコンドリア量を増加させ、ヒトでは運動能力を上昇させるという報告があることから、サルコペニア患者に対しても5-ALAリン酸塩とSFCの併用摂取による有益な効果が期待された。本研究では、サルコペニア患者に対する研究食品(5-ALAリン酸塩とSFCの併用摂取)の有効性と安全性を評価することを目的とした。サルコペニアを有する研究対象者を登録し、無作為に研究食品群(用量を変えた4群)およびプラセボ群に割付け、当該研究食品を12週間摂取させた。主要評価項目である骨格筋指数(SMI)のベースラインから12週目までの変化量は群間で有意差は認められなかった。一方、握力はプラセボ群と比較して、研究食品群の全用量で12週後にベースラインから有意に増加または増加傾向にあった。身体機能、下腿周囲径、生活の質(QOL)を含むその他の評価項目については、一貫した変化は観察されなかった。安全性評価では、重篤な疾病の発現はみられず、安全な介入であった。 |
(※1) 5-アミノレブリン酸とは、体内のミトコンドリアで作られるアミノ酸で、ヘムやシトクロムと呼ばれるエネルギー生産に関与するタンパク質の原料となる重要な物質ですが、加齢に伴い生産性が低下することが知られています。5-アミノレブリン酸は、焼酎粕や赤ワイン等の食品にも含まれるほか、植物の葉緑体原料としても知られています。
(※2) 5-アミノレブリン酸リン酸塩は、厚生労働省の「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」に追加されています。医薬品成分ではございません。
(※3) 5-ALAリン酸塩とSFCの併用は医薬品の承認を受けていません。また本プレスリリースは論文の紹介であって、未承認薬の使用を推奨するものではありません。
以上
本プレスリリースに関するお問い合わせ先:
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