悪性神経膠腫の経口体内診断薬のオーファンドラッグ指定のお知らせ

SBI ホールディングス株式会社
SBI アラプロモ株式会社
ノーベルファーマ株式会社

 SBIホールディングス株式会社の子会社で ALA(5-アミノレブリン酸)を利用した化粧品、健康食品、医薬品の研究・開発等を行っている SBI アラプロモ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役執行役員 CEO:北尾 吉孝、以下「SBI アラプロモ」)と、ノーベルファーマ株式会社(本社:東京都、社長:塩村 仁、以下「ノーベルファーマ」)は、両者が臨床開発中の悪性神経膠腫の摘出手術中に使用する体内診断薬(有効成分:5-アミノレブリン酸塩酸塩、以下「本 ALA 診断薬」※)について、厚生労働省からオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)の指定を受けたことをお知らせします。

 今回の指定によって、本 ALA 診断薬の医療上の必要性が認められ、本 ALA 診断薬の開発や製品化に際して優先的な治験相談及び優先審査や再審査期間の延長等、様々な優遇措置が受けられるようになります。今回の指定は開発期間の短縮化に結びつき、日本における腫瘍摘出率の向上と予後の改善、術中及び術後の患者の身体的負担を軽減することに寄与する SBIアラプロモ及びノーベルファーマの取り組みをさらに強化するものです。

 SBIアラプロモ及びノーベルファーマは、悪性神経膠腫に苦しむ人々に新たな選択肢として、本 ALA 診断薬を一日も早く医療現場に提供できるよう一層努力してまいります。

以上

(※)本 ALA 診断薬は、悪性神経膠腫の摘出手術中における腫瘍組織の可視化を目的とした光線力学的診断(Photodynamic Diagnosis : PDD)のための経口体内診断薬で、SBI アラプロモの事業パートナーである独medac 社がすでに欧州医薬品審査庁(EMEA)の承認を受け、欧州 27 ヶ国で使用されています。SBI アラプロモと medac 社との契約に基づき、SBI アラプロモとノーベルファーマの共同事業として本 ALA 診断薬の第III相臨床試験を行っております。

 悪性神経膠腫は最も悪性度の高い脳腫瘍に属し、現在の標準治療は顕微鏡下手術による腫瘍部位の切除となります。しかし、悪性神経膠腫は正常脳に浸潤して増殖する特徴を有するため、正常組織との境界が不明瞭で、腫瘍の完全切除は困難であるとされております。本 ALA 診断薬は腫瘍摘出術の数時間前に経口投与し、術中に患部に特殊な光を当てることで腫瘍部位を赤く光らせ、正常組織との識別を容易にして腫瘍摘出率を向上させることを目的としております。

参考資料
SBI アラプロモ社について
SBIアラプロモ株式会社は、2008 年にSBIホールディングス株式会社とコスモ石油株式会社のジョイントベンチャーとして設立され、ALA(5-アミノレブリン酸)を利用した製品の研究・開発・販売を行っております。医薬品、健康食品及び化粧品分野において、ALAを利用した製品を提供することを使命とし、ALAを活用した革新的な製品を産み出すことを通じて人々の生活をより豊かにすることを目指しております。

 SBIアラプロモ株式会社の詳細情報は、同社のウェブサイトhttp://www.sbi-alapromo.co.jp/をご覧ください。

ノーベルファーマ社について
ノーベルファーマ株式会社は、アンメットニーズの高い医薬品を開発し、その薬剤を必要とする患者のお手もとにお届けすることを使命として、2003 年に設立されました。

 オーファンドラッグ、効能・効果外で使用されている医薬品、小児用医薬品などアンメットニーズの高い医薬品の研究開発に鋭意取り組み、必要とされる現場にお届けすることにより医療へ貢献しています。

 ノーベルファーマ株式会社の詳細情報は、同社のウェブサイトhttp://www.nobelpharma.co.jpをご覧ください。

ALA(5-アミノレブリン酸)について
赤ワインやかいわれ大根等の食品にも含まれる「ALA」は、36 億年前より存在する天然のアミノ酸の一種です。植物では光合成に不可欠な葉緑素、動物ではビタミン B12、血液成分、細胞内エネルギー産生などに関わることが知られており、種を問わず、極めて重要かつ不可欠な成分として知られています。その応用範囲は脳腫瘍術中診断、がんスクリーニング等の医療分野から、貧血予防の健康食品分野、にきび・肌荒れ等の化粧品分野など多岐に渡ります。

神経膠腫(しんけいこうしゅ)について
神経膠腫は脳内に存在するグリア細胞の腫瘍で、その多くは予後不良な悪性の腫瘍です。神経膠腫は原発性脳腫瘍の約 30%を占め、腫瘍を構成する細胞の形態から何種類かに分類されます。そのうち最も多いのが星細胞腫で、これはその悪性度によって大きく4段階(グレード I~IV)に分けられます。特にグレード IV は膠芽腫と呼ばれ、最も悪性度が高く、極めて予後不良の腫瘍です。神経膠腫の標準的治療として、通常、外科的手術(開頭手術)が行なわれますが、手術で腫瘍を全摘出することは困難であり、多くの場合、術後に放射線治療や化学療法が行われます。

オーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)について
重篤な疾病に使用し特に医療上の必要性は高いが、患者数が少ない(日本国内における対象患者数が 5 万人以下)ため採算性が低いと見込まれる医薬品のこと。人道的な立場から開発を奨励する目的で、厚生労働省や医薬品医療機器総合機構から、優先的な治験相談及び優先審査や、再審査期間の延長等の優遇措置が受けられます。

 希少疾患用医療機器と合わせて平成 5 年度以降 251 品目(平成 21 年度は 7 品目)が指定されています。

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本プレスリリースに関するお問い合わせ先:
SBI アラプロモ株式会社   経営企画部     03-6229-0095
ノーベルファーマ株式会社    管理統括     兼  経営企画部長  菅谷  勉       03-5651-1160

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