バーレーンで実施していた食品介入試験で2型糖尿病患者へのALAの安全性と有効性を確認

SBI ファーマ株式会社

 SBIホールディングス株式会社の子会社で5-アミノレブリン酸(ALA)(※1)を利用した医薬品、健康食品及び化粧品の研究・開発等を行っているSBIファーマ株式会社(本社:東京都港区、代表:北尾吉孝、以下「SBIファーマ」)は、バーレーン国防軍病院(Bahrain Defense Force Royal Medical Service Hospital)糖尿病診療科と進めているALAを用いた2型糖尿病の臨床研究について、アラビア人の2型糖尿病患者を対象とした食品介入試験(以下「本試験」)が終了し、このたび現地にて本試験結果を発表いたしましたのでお知らせいたします。

 本試験ではアラビア人の2型糖尿病患者に対し、高用量のALA(1日当たり200mg)の投与に関する安全性が確認され、また糖尿病と密接な関係を有するHbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)が12週の試験食摂取で有意に低下したことが確認されました。なお、現地で開催されたプレスカンファレンスには、バーレーン国防軍病院トップのSh.カーリッド氏、駐バーレーン日本大使らが出席しました。

 また、本試験はバーレーンにおいてGCP(※2)に準拠した初の食品介入試験です。バーレーン政府は、湾岸諸国のアラビア人を対象として、GCPに準拠した医薬品臨床開発体制の整備に着手し、安全性の高いALAを主成分とする糖尿病治療の補助栄養剤をその臨床研究の最初のモデルに選定していました。

 SBI ファーマは 2012 年より、糖尿病(IGT(※3)を含む)罹患率が 24.6%と非常に高い(※4)バーレーンを中心に中東地域への事業展開を進めております。アンメットメディカルニーズに応える医薬品を世界中の一人でも多くの方に提供できるよう、SBI ファーマは今後も ALA の様々な可能性を追求し、医薬品等の研究開発に努めてまいります。

(ご参考)以下は、バーレーンで発表した英文リリースの原文を抄訳したものです。

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バーレーン国防軍病院で実施していたGCPに準拠した最初の臨床研究で、2型糖尿患者に対するALAの安全性と有効性を確認

 バーレーン国防軍病院とSBIファーマのバーレーン拠点であるSBIファーマMENAは、DZS Clinical Services (米国に本社を置く医薬品開発業務受託機関) の協力の下、糖尿病患者に対してGCP基準に準拠して実施した、ALAを用いた初めてのパイロット臨床研究の結果について発表いたします。

 GCPは、臨床試験の倫理性と試験データの完全性の確保を目的としたものであり、臨床研究の高い信頼性を追求する製薬業界、医師や科学者にとっての重要な拠りどころとなります。今回、GCPに準拠した初のパイロット試験が成功裏に終了したことは、バーレーンでの今後のGCP導入に際しての重要な布石となります。バーレーン国防軍病院は引き続きGCPに準拠した研究を継続し、当該地域においてバーレーンを湾岸地域での医療・医薬品研究の拠点にすることに貢献していきます。さらにバーレーン国防軍病院はその活動を担うトレーニングセンターを建設中であり、当該地域での臨床研究のための上位機関を設立予定です。

 昨今、日本とバーレーンは政府要人が両国を往来しています。バーレーンの皇太子が訪日した際には、様々な分野での覚書を締結しております。また、日本の首相がバーレーンを訪れた際は、とりわけ医療分野での連携を通じた関係強化について合意しております。この合意に基づき、SBIファーマMENAと東京大学医科学研究所はバーレーン国防軍病院と連携し、更なるGCP準拠の臨床研究を実施してまいります。

 ALAはタンパク質を構成しない天然のアミノ酸で、全ての生細胞中のミトコンドリアによって作られ、糖と脂肪の代謝およびエネルギー生産を促進します。体内でのALAの生産は年齢とともに低下し、ALAの摂取はアンチエイジングのためにも効果的であることが期待されます。バーレーンで初のALAを用いた臨床研究は、当初、治療中のアラビア人糖尿病患者に対するALAの安全性を確認する目的で開始されました。一方、試験結果は、ALAの補助的摂取が、安全性に優れていることに加えて糖尿病のより良い管理のための新たな選択肢になり得ることを示唆しました。

 次の研究では、鎌状赤血球症などの血液疾患に焦点をあてる予定です。これらは当該地域で今なお主要な遺伝性疾患であり、低酸素状態に陥ることによって重大な生命危機がしばしば引き起こされています。ALAは体内に取り込んだ酸素の利用効率を高めることが知られており、これらの疾患による重大な生命危機のリスクを減らすことが期待されます。また、基礎研究分野では、日本からバーレーンに対して、遺伝子操作やiPS細胞の応用における最先端技術の移転がなされる予定です。ノーベル賞受賞者の山中伸弥教授によって発見されたiPS細胞は、我々が、種々の器官再生の為に自己の皮膚線維芽細胞から産生された自己幹細胞を用いることを可能にすると思われます。日本側においては、SBIファーマMENAと東京大学医科学研究所が臨床研究協力を推進していく予定です。

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(※1)5-アミノレブリン酸(ALA)とは:体内のミトコンドリアで作られるアミノ酸。ヘムやシトクロムと呼ばれるエネルギー生産に関与する機能分子の原料となる重要な物質ですが、加齢に伴い生産性が低下することが知られています。ALAは、焼酎粕や赤ワイン等の食品にも含まれるほか、植物の葉緑体原料としても知られています。

(※2)GCP:Good Clinical Practiceの略で 医薬品の臨床試験の実施の基準

(※3)IGT:耐糖能異常 (Impaired Glucose Tolerance)

(※4)出所:国際糖尿病連合 IDF Diabetes Atlas 6th Edition

以上

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本プレスリリースに関するお問い合わせ先:
SBI ファーマ株式会社  経営企画部    03-6229-0095

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